★★注目ニュース★★ エムティーアイ、女性ホルモンと口腔内トラブルに関する調査

『HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“健女性ホルモンと口腔内トラブルに関する意識・実態調査"
~生理前後・生理中、妊娠中にそれぞれ約5人に1人が口腔内トラブルを経験!約7割は女性ホルモンと口腔内トラブルに関係があることを「知らない」と回答~
エムティーアイが運営する、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内でさまざまな意識調査を行い「ルナルナ通信」として発信しています。
Vol.67では、6月4日~10日の「歯と口の健康週間」に合わせ、サンスターグループと共同で実施した「女性ホルモンと口腔内トラブルに関する意識・実態調査」の結果をお届けします。
今回の意識・実態調査では、女性ホルモンと口腔内のトラブルに関係があることを知らない人は65.8%にのぼりました。また、生理前後・生理中に口腔内のトラブルに見舞われた経験がある人は17.1%、妊娠中に口腔内のトラブルに見舞われた経験がある人は21.3%と、約5人に1人は女性ホルモンの変化に伴い口腔内のトラブルが生じていることがわかりました。
本調査の結果が、女性ホルモンと口腔内トラブルの関係への理解を深める一助となり、日々の口腔ケア※1や予防行動を見直すきっかけになることを願っています。
調査実施時期:2025年5月22日(木)~5月26日(月)
調査方法:『ルナルナ』、『ルナルナ 体温ノート』、『ルナルナ ベビー』にて調査 有効回答数:女性3,791名
■女性ホルモンと口腔内トラブルに関係があることを知っている人は約3割にとどまる結果に・・・
Q. 生理前後・生理中に口腔内のトラブルに見舞われたことはありますか?
次に、実際に生理前後・生理中に口腔内のトラブルに見舞われたことがあるか聞きました。「ある」17.1%、「特に無い」49.8%、「わからない/覚えていない」33.1%で、約5人に1人は生理前後・生理中に口腔内の健康状態が悪化していることがわかりました。また、「ある」と回答した人に、「生理前後・生理中、いずれのタイミングでトラブルに見舞われましたか?(複数回答)」と確認したところ、「生理前」87.8%、「生理中」44.2%、「生理後」11.6%で、生理前にトラブルを抱える人が最も多い結果となりました。排卵期を過ぎるとエストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が増加し、唾液の分泌が減少するため、口内が乾燥しやすくなります。また、炎症を促すプロスタグランジンというホルモンも生理直前に増加するため、歯茎が腫れたり、歯が痛んだりすることがあることから、生理前と回答した人が多いと考えられます。
Q. 妊娠中に口腔内のトラブルに見舞われたことはありますか?
続いて、妊娠経験のある人に、妊娠中に口腔内のトラブルに見舞われたことがあるか聞きました。「ある」21.3%、「特に自覚症状は無かった」56.2%、「気をつけていたので問題は起きなかった」22.5%で、生理前後・生理中の質問と同様に約5人に1人は妊娠中に口腔内トラブルが発生していることがわかりました。
■約9割が妊婦初期の歯科健診受診の推奨を知っているが、実際の受診は約6割。その理由とは?
Q. 妊婦初期は積極的に歯科健診を受診することが推奨されていることを知っていますか?
次に、妊娠経験のある人に、妊婦初期は積極的に歯科健診を受診することが推奨されていることを知っているか聞きました。「推奨されている理由まで含めて知っている」46.1%、「理由は知らないが推奨されていることは知っている」39.0%で、合わせて85.1%と妊娠経験のある人は大半が知っている結果となりました。
実際に妊娠中に歯科健診を受診した人は59.5%、これから受診する予定の人は10.9%、受診しなかった人は29.6%でした。歯科健診の受診が推奨されていることを知っている人は約9割いるにもかかわらず、受診していない人が一定数いることがわかります。
受診しなかった理由(複数回答)については、「歯痛、歯茎の出血・腫れなど自覚症状がなかった」30.0%、「妊娠中の体調が不安定で行けなかった」28.0%、「忙しくて健診を受けられなかった」23.4%でした。妊娠中は、女性ホルモンの急激な増加による口腔環境の変化、つわりによる嗜好変化や歯みがきが難しくなる場合もあり、むし歯や歯周病になりやすくなります。口腔内のトラブルは初期症状では気が付かないことも多いです。体調が優れずなかなか口腔ケアに気が回らなくなってしまうかもしれませんが、歯周病は早産や低体重児出産の原因となる可能性もある※3ため、つわりがおさまる妊娠4~5カ月頃に歯科健診を受診し、比較的体調の安定した妊娠中期に必要な歯科治療を行えると安心です。
プレスリリースはこちら(株式会社エムティーアイ 2025年6月9日掲載)
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『HealthTechWatch』の視点!
今回取り上げたのは、ウィメンズヘルスケアサービス『ルナルナ』を提供しているエムティーアイがサンスターグループと共同で実施した「女性ホルモンと口腔内トラブルに関する意識・実態調査」の研究結果です。
これまで口腔と身体の関係は特に注目されずに、別々のアプローチというのが一般的な印象でしたが、最近では口腔と身体の関係が明らかになってきて、様々なアプローチが出てきています。
今回のニュースでは、女性ホルモンと口腔内トラブルの関係性についてです。
今回の調査結果で、女性ホルモンと口腔内のトラブルに関係があることを知らない人は65.8%と、まだまだ認識されていない状況のようです。
この認識の低さが影響していると思われるのが、約9割が妊婦初期の歯科健診受診の推奨を知っているのに、実際の受診は約6割に留まっているという点です。
この背景には、やはり女性ホルモンと口腔内トラブルに関係があることを知っている人は約3割にとどまり、多くの人に十分な認識が無いことで、推奨されたとしても理由などを含めて理解していないと実際の行動に結びつかないということなんだと思います。
ヘルスリテラシーの「リテラシー」の本来の意味は、「知識」を「活用できる」まで含まれると言われています。
そのため、ヘルスリテラシーを高めるためには、「知識」をしっかりと理解して「行動」に結びつけることが重要で、やはり情報の提供だけで終わるのではなく、「行動」につなげるための情報として提供すべきなんだと、今回の調査結果をみてあらためて感じました。
『HealthTechWatch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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