★★注目ニュース★★ Function Health、評価額25億ドルとなりユニコーン企業に

watanabe

2025.12.01

HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!
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“Function Health、シリーズBで評価額25億ドルとなりユニコーン企業に躍り出た”

加入者に160種類以上の臨床検査へのアクセスを提供するプラットフォームを持つFunction Health社は、2億9,800万ドルのシリーズB資金調達ラウンドを完了し、スタートアップの評価額が25億ドルに達した。

2023年に設立され、オースティンを拠点とするFunction Healthは、現在までに3億5,000万ドル以上の資金を調達している。ユニコーン企業となった後も、Function Healthは人々がより長く、より健康的な生活を送れるよう支援することに注力していくと、CEOのJonathan Swerdlin氏は述べている。

「現在のシステムは急性期医療に重点を置いており、その点では奇跡的です。腕を骨折したり手術が必要になったりしたら、まさにここが希望の場所です。しかし、人々が健康を維持するために必要な重要なデータポイントと、総合的な全身的ソリューションが欠けています」とSwerdlin氏は述べた。

米国における死亡のほぼ半数は予防可能な病気によるものであるにもかかわらず、医療データのほとんどはサイロ化されており、何か問題が起こったときにのみ生成されるとSwerdlin氏は指摘した。

人々は自分自身の健康について知らされずにいたいのではなく、自分の健康を自分で管理したいと望んでいるのです。これはバイオハッカーやエリート層だけの問題ではありません。80億人の問題なのです」とSwerdlin氏は断言した。

Function Healthは、ラボテスト(健康診断・検査診断)に関する障壁の一部を取り除くことで、この問題の解決に役立てることができる。

Function Healthのプラットフォームの年間サブスクリプション料金は365ドル。これには、ホルモン、心臓の健康、免疫、代謝、肝機能と腎機能、甲状腺、栄養素などに関する検査へのアクセスが含まれる。多くの会員は、このプラットフォームを通じてMRIスキャン(499ドルから)や心臓と肺のCTスキャン(349ドルから)も受けている。

サービス開始以来、会員は5,000万件以上の検査を完了した。Swerdlin氏によると、会員はそれぞれ、臨床医から検査結果の概要、栄養とライフスタイルに関するアドバイスを含む個別のプラン、そして何か気になる点があれば臨床医からの連絡を受けることができる。すべての検査結果はFunction Healthアプリに保存され、会員はそこからレポートをダウンロードして担当の臨床医と共有できる。

このプラットフォームは、1 つのメンバーシップの下でこれほど広範囲にわたるラボテストとイメージングを統合する市場で唯一のプラットフォームとなっている。

すべてのデータが単一のインターフェースに統合され、会員は自分の健康状態を個別に把握し、より情報に基づいた意思決定を行えるようになる。

「Function Healthへの新たな資金流入は、研究と各個人のデータを統合し、より積極的かつ個別化されたガイダンスを提供するように設計された同社のAIモデルの進歩を促進することに活かします」とSwerdlin氏は述べた。 

記事原文はこちら(『MedCity News』2025年11月19日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

米国は日本のように定期的健康診断を受けることを法的に義務付けていません。基本的には個人の責任でかかりつけ医で受診することとなっています。

企業の中にはウェルビーイングプログラムの一貫として健康診断を導入しているところもありますが、日本のような集団健診などはなく、従業員が医療機関で受けるのが一般的です。

まずここで課題となるのが、義務化されていないことは、全員が自ら行動するとは限らないため、先延ばしにして数年受けていない人も多くなってしまいます。

それでも、日本と違って医療費が高いことは多くの国民が理解しているので、行動する人も一定数いるでしょう。

健診を受ける場合、基本的にはかかりつけ医が年齢などから検査項目を決めて実施することになりますので、その検査では見つからない症状などは見落とされる可能もあります。

また個人が気になることがあっても、自分が加入している保険で対応するかなど、確認も必要なため、今、気になる症状がないと後回しになることも多いでしょう。

Function Healthはそのような課題を解決するためのプラットフォームを提供しています。そして、検査で病気を発見するだけでなく、病気にならないための予防となるアドバイスも行っています。

日本国内でも、健診から予防を呼びかける動きはありますが、この段階で予防活動を定期的に行えるのは、個人へのアプローチだけだと、率先して行動できる一部の人に限られてきます。

個々の状況に合わせたアプローチも大切ですが、その年代や企業などのコミュニティとして、健康活動に取り組む文化作りまでやらないと、今後、最も疾病リスクのある人を動かすのは難しくなるでしょう。

検査まで率先して受けたから、予防行動も当たり前にするとは考えず、段階に合わせたアプローチを設計することが大切になります。

『HealthTechWatch』編集長 渡辺 武友
ヘルスビズウォッチ合同会社にて共同代表CSO。健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティングを行う。一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行い、国際標準となる「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度を発表する。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。

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