★★注目ニュース★★ ケアパスの最適化「リハビリパフォーマンスの新たなフロンティア」

watanabe

2025.11.17

HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!
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“ケアパスの最適化「リハビリパフォーマンスの新たなフロンティア」”

CMSの新しいイノベーションセンター戦略の発表は、単なる政策変更ではなく、患者のケアプロセスの再編となる。

価値に基づくケア(Value Based HealthCare:VBHC)が新たな勢いを増すにつれ、ケアを単なる診察や個別の介入ではなく、より低いコストでより良い結果をもたらす、データに基づいた協調的なケアの道筋として捉えることが求められる。

リハビリ専門家にとって、これは挑戦であると同時に大きなチャンスでもある。

ケアパスウェイとは、本質的には、患者を現在の状態から希望する状態へと導くための地図となる。しかし、多くのリハビリケアプランは依然として断片化され、事後対応的であり、より広範なケアのエコシステムから乖離している。これでは、変革の次の段階には対応できない。

新たな使命:エビデンスに基づき、患者中心で効率的に

CMSは最新の戦略において、「エビデンスに基づく予防」と「人々が健康目標を達成できるよう支援する」ことに重点を置いている。これは、データから得られる効果と、患者が実際に必要とし、望んでいることとが一致するケアパスウェイを構築した場合にのみ実現する。

リハビリにおいてはこれが何を意味するかは次の通りだ。

重要な点における標準化
一般的な疾患(例えば、人工関節全置換術、脳卒中からの回復、転倒リスク)については、単なる事例経験ではなく、成果データに基づいた共通のプロトコルが必要です。

肝心なところではカスタマイズが必要
プロトコルは、患者のプロフィール、目標、併存疾患に基づいた柔軟性も考慮する必要がある。リハビリテーションが真価を発揮するのは、構造化された枠組みの中でケアを個別化することだ。

全体感と道筋の明確化
治療は後付けであってはならない。私たちは、ケアのプロセス全体、つまり予防の上流、回復の下流、そしてその間のあらゆる意味のある移行において、私たちがどこに位置づけられるかを積極的に定義する必要がある。

データ主導だが、人間性を失ってはいけない

CMSイノベーション戦略は、ケアの提供方法を​​最適化するためのものである。この最適化には、臨床効果と業務効率の両方を考慮する必要がある。「患者の状態改善を支援しているか?」という点だけでなく、「適切な時間枠、適切なリソース、適切なコストで支援しているか?」という点も重要となる。

アウトカムデータ、患者報告アウトカム指標(PROM)、患者からのフィードバック、そして利用動向はすべて、ケアパスウェイを形成する上で重要な要素となる。しかし、私たちの分野を特徴づける関係性という側面を失ってはいけない。優れたケアパスウェイとは、機能的で、ケアの実感を得られるものである。

記事原文はこちら(『MedCity News』2025年11月7日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

国主導で新たな取組がはじまると、新たな報告義務が発生するため、どうしても報告の効率化を図りたくなってしまいます。

また既存の仕組をできるだけ変えないように対応しようとすると、既存の仕組を優先したい勢力と軋轢を生むことにもなりやすいものです。

今回紹介する価値に基づくケア(Value Based HealthCare:VBHC)は、すでに何度も紹介してきているので聞き覚えがあるでしょう。

VBHCは、今までの医療とは根本的に変わるものであり、医療費削減の視点からも特に力を入れられてきました。

根本的に変えることにより、既存の仕組には、それなりの打撃を与えます。しかし、既存の仕組に拘り続けても、社会はもちろん、その組織にもダメージを与えることになります。

仕組みが大きく変わるときには、その根幹として何があるのか?今後、どのような未来を描いているのかを知り、自分たちにとってどれだけ重要なことかを組織内で深く議論し、自分たちが向かう未来について考えていただきたいです。

今後日本でも、テーマは違えど大きな変化があります。

国主導であっても、新たな取組には多かれ少なかれ失敗はつきものです。そのようなことが起きても、組織内で目指す姿を共有できていれば、対策にも動きやすくなります。記事にもあるように、チャンスととられて挑んでいくことが今後求められます。

『HealthTechWatch』編集長 渡辺 武友
ヘルスビズウォッチ合同会社にて共同代表CSO。健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティングを行う。一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行い、国際標準となる「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度を発表する。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。

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