HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら！
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“Discovery HealthのCEOがウェアラブルと健康リワードについて語る”

南アフリカ最大の健康保険会社Discovery Health社のCEOであるRonald Whelan博士がMobiHealthNewsのインタビューに応じ、 同社が会員に健康的な生活を送るようどのように奨励しているかについて語った。 

我々Discovery Healthが皆さんによく知られているのは、いわゆる「共有価値モデル」です。共有価値モデルとは、健康増進のための正しい行動に対してクライアントに報酬を与えることを意味します。私たちは運動に対してクライアントに報酬を与えてきましたが、今回、睡眠に対しても報酬を与えることができることを大変嬉しく思っています。

私たちが提供する「睡眠報酬プログラム」では、会員は睡眠の質を高めたり、睡眠に関して規律を保ったりすることで報酬を得ることができます。

会員は、毎週の運動目標や睡眠目標を達成すると様々なウィークリーリワードが付与されます。さらに、長期的な一連の行動、つまり健康習慣を長期的に構築していくことで得られる長期的なリワードもあります。こうしたリワードには、旅行割引などがあります。

また、様々な小売店で家具の割引も受けられます。当社のリワードエコシステムには、50社以上の小売パートナーが参加しています。社内マイル通貨も用意しており、マイルを貯めて、時間の経過とともにより大きな商品の購入に使うことができます。

睡眠のデータ取得にはウェアラブルデバイスを活用しています。ウェアラブルデバイスのパートナーであるGarmin、Apple、Samsung、Fitbitと緊密に連携しており 、最近ではOuraとも提携しました。南アフリカではOuraと独占的なパートナーシップを結んでおり、Ouraは睡眠トラッキングに最適です。

それにより、非常に興味深いデータセットを構築できました。ウェアラブルデバイスのあらゆるデータに加え、医療保険会社として6,000万人分の請求データもすべて保有しています。さらに、病理学エコシステムと統合することで、病理学データも取得しています。

記事原文はこちら（mobihealthnewss』2025年12月2日掲載）
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点！

Discovery Healthといえば、健康増進型保険の草分け的存在で、日本でも住友生命保険がDiscovery Healthの「Vitality」を導入していることはご存知でしょう。

「Vitality」は健康行動をすればポイントが貯まるインセンティブプログラムです。日本人に馴染み深い歩くとポイントが貯まって、ポイントが貯まったら商品に交換できる仕組みです。

ちなみに「Vitality」はDiscovery Healthのプログラムの1つであって、全てではありません。他国では、その国の課題にあったプログラムが導入されています。

今回新たにはじまった「睡眠報酬プログラム」は、自分にとって望ましい睡眠を行うことでポイントが取得できます。

今までの健康行動をしたらポイントが貯まるものから比べると、かなり敷居が低くなり、インセンティブでは行動できなかった人でも、心地よい睡眠が手に入り、ついでにポイントが貯まるとなったことで始める人も増加するのではないでしょうか？

日本でもすでに多くの睡眠改善サービスが導入されていることからも、このプログラムは相性がよいと思われます。

今後のDiscovery Healthの動向も気になりますが、このような考え方を踏まえて、より国内に向いた仕組みを検討するのも意義があると思われます。

『HealthTechWatch』編集長　渡辺　武友
ヘルスビズウォッチ合同会社にて共同代表CSO。健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティングを行う。一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行い、国際標準となる「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度を発表する。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。