★★注目ニュース★★ CMSの『ACCESS』、成果を中心にメディケアを再構築する

watanabe

2026.01.05

HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!
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“CMSの『ACCESS』、成果を中心にメディケアを再構築する”

7月1日に開始予定のメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)による新たなプログラム『ACCESS』は、患者のアウトカムと支払いを結び付け、テクノロジーを活用した予防医療を奨励することで、従来のメディケアの出来高払い制を価値に基づくケア(Value Based HealthCare:VBHC)へと転換することを目指していまる。

専門家は、このモデルはまずデジタル化が成熟し、価値重視の医療提供者に恩恵をもたらす可能性があると指摘しているが、全体的な成功は明確な指標、より良いデータ共有、そして継続的な参加にかかっている。

『ACCESS』は、「効果的で拡張可能なソリューションによる慢性疾患ケアの推進」の略称となる
。このプログラムにより、医療提供者は、通常は出来高払い制では償還されないデジタルツール、非伝統的なサービス、そしてケアチームを活用できるようになる。参加する医療提供者は、ケアの質と総費用に対する責任を負い、成果の向上と支出削減を達成した場合には、その削減額を分配する機会を得る。

専門家は、これはCMSによる従来のメディケアの出来高払いを成果モデルへと移行させる、これまでで最も明確な試みであり、病院や診療所の枠を超えたケアの拡大を支援する重要な取り組みであると考えている。しかし、専門家は次のような注意点も示している。『ACCESS』の成功は、継続的な参加、明確な指標、そして断片化されたケア環境全体にわたるデータとデジタルツールの統合能力にかかっていると。

CMSは、『ACCESS』は当初、うつ病、糖尿病、高血圧、慢性の筋骨格痛など、メディケア受給者の3分の2以上に影響を与える症状に焦点を当てると述べた。

CMSは参加医療機関を、患者の状態が時間の経過とともに有意に改善したかどうか、そしてそれらの改善が高額なサービスの利用減少につながったかどうかに基づいて評価する。これには、各症状に関連する臨床指標の変化の追跡に加え、『ACCESS』に登録された医療機関を受診した患者における入院回数、救急外来受診回数、メディケア総支出の減少といった下流効果の追跡が含まれる。

記事原文はこちら(『MedCity News』2025年12月18日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

メディケア(米国の65歳以上の高齢者や一部の障害者、重度の腎臓病患者を対象とした連邦政府運営の公的医療保険制度)においても、ついに本格的な価値に基づくケア(Value Based HealthCare:VBHC)に突入しようとしています。

メディケアは公的医療保険です。日本の国民皆医療保険の対象者を絞った保険制度と言えます。日本の医療保険は、高齢者人口が増えることで、財政に大きな負担を与えていることはご存知と思いますが、米国も状況は同じと言えるでしょう。

高齢者の増加に伴い、保険適用で医療を提供し続けることになれば、いつか破綻することとなります。ですので、少しでも改善するための取組がVBHCです。

特に慢性疾患は再発率、重篤化率が高いことが課題です。完治でなくとも、よい状態を保てるだけで、医療費負担はかなり抑えることができるでしょう。

VBHCは予防、予後も踏まえて取り組むものになりますので、再発予防、重篤化予防に貢献する可能性が高まります。

ただし問題は患者の意志です。

予防、予後は患者自身が普段の生活の中で取り組まなければ成果につながりません。患者自身が健康行動を疎かにしてしまえば、再発や重篤化につながってしまいます。

今後は制度や提供者の体制と合わせ、患者自身の前向きな意志を持ち続けるための取組にも力を入れていかなければなりません。

今後日本でも同じような制度に進んでいくことが想定されます。提供者視点だけでなく、患者視点でのアプローチに注力していことが重要となるでしょう。

『HealthTechWatch』編集長 渡辺 武友
ヘルスビズウォッチ合同会社にて共同代表CSO。健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティングを行う。一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行い、国際標準となる「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度を発表する。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。

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