★★注目ニュース★★ NTTコミュニケーションズなど、睡眠改善プログラムの有効性検証を開始

里見将史

2025.07.07

『HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!

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“従業員への睡眠改善プログラムの有効性検証に関する実証実験を開始”

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTT PARAVITA、みずほリサーチ&テクノロジーズは、従業員への睡眠改善プログラムの有効性検証に関する実証実験を開始します。

本実証では、睡眠改善が従業員の生産性向上や定着率の改善にどの程度有効かを検証し、健康経営施策の投資対効果を定量的に測ります。

1.背景

人手不足が叫ばれる中、従業員の生産性向上や定着率改善にはメンタルヘルス不調の予防が重要となっています。近年の研究では睡眠の質がメンタルヘルスに影響を与えることが明らかになっており、従業員の睡眠の質を改善することは、パフォーマンスを高め、メンタルヘルス不調による欠勤や離職を減少させ、生産性向上や定着率改善に寄与すると期待されています。

NTT Comは多様なICTサービスやソリューションの開発・提供、ならびにデータ利活用基盤の構築などを行ってきました。NTT PARAVITAは健康増進や未病の早期発見による社会保障費の削減に貢献するとともに、病気になりにくい社会の実現をめざし、人に不可欠な「睡眠」を軸にサービスを提供してきました。みずほリサーチ&テクノロジーズは官公庁・民間企業向けの調査業務や医療費の分析・推計業務を通じて、健康経営に係る知見を蓄積してきました。
このたび3社の強みを掛け合わせ、本実証を行います。

2.本実証の概要

本実証は、NTT Com、NTT PARAVITAが提供する法人向けサービス「あなたの健康応援団」および「ねむりの応援団」が従業員の生産性向上や定着率の改善に与える影響を定量的に評価・検証します。

(1)期間:2025年6月~2025年12月(予定)

(2)実証の流れ:NTT Comの健康経営支援サービス「あなたの健康応援団」を活用し、睡眠に課題のある従業員のスクリーニングを実施、スクリーニングされた対象者に対し、NTT PARAVITAが睡眠改善サービス「ねむりの応援団」により睡眠の質を向上させるための支援を実施します。対象者に「ねむりの応援団」を約3か月利用いただき、みずほリサーチ&テクノロジーズが従業員の生産性向上や定着率の改善に与える影響を定量的に評価します。

(3)対象人数:みずほリサーチ&テクノロジーズの従業員100名程度

(4)各社の役割
NTT Com    
「あなたの健康応援団」のサービス提供

NTT PARAVITA    
「ねむりの応援団」のサービス提供

みずほリサーチ&テクノロジーズ    
実証実験の事務局
「あなたの健康応援団」「ねむりの応援団」が人的資本の損失低減にどの程度の影響を与えるかの評価

3.今後の展開

今後NTT Com、NTT PARAVITA、みずほリサーチ&テクノロジーズは3社の強みを活かし、健康経営を支援するソリューションの開発に向け、連携を進めます。また、健康経営施策をコストではなく企業の成長を促進する投資として位置づけることをめざし、3社のアセットを組み合わせ、エビデンスに基づき効果を定量的に評価できる健康経営ソリューションの提供をめざします。


プレスリリースはこちら(NTTコミュニケーションズ株式会社 2025年6月24日掲載)
 
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

今回取り上げたのは、NTT ComとNTT PARAVITA、そしてみずほリサーチ&テクノロジーズの3社が睡眠改善プログラムの有効性検証に関する実証実験を開始したというニュースです。

まだ睡眠改善プログラムの有効性検証の実証実験を開始するというニュースであって、結果が示されたという内容ではありません。

しかし、このニュースの背景には、いまの健康経営の取り組み、アプローチに必要なポイントが隠れており、やはり今回のような睡眠改善プログラムが本当の意味での従業員の生産性向上や定着率の改善に本当につながっているのかといった、単なる健康施策の取り組みではなく、その先の経営の視点にしっかりとつながっているかどうかをエビデンスを含めて示す必要があると感じています。

たしかに、従業員の生産性向上や定着率改善にはメンタルヘルス不調の予防が重要と言われ、睡眠の質がメンタルヘルスに影響を与えることが明らかになっているため、メンタル不調の予防として睡眠改善プログラムを採用する取り組みも多くなってきています。

しかし、健康経営施策を健康施策の取り組みのコストという位置付けではなく、企業の成長を促進する投資として位置付けるためには、メンタル不調予防としての睡眠改善プログラムだけではなく、より従業員のパーフォーマンスアップに向けて本来の生産性アップに貢献する睡眠改善プログラムとしての有用性、エビデンスが求められてくるのです。

今回の実証実験では、本来の生産性アップの有用性、エビデンスを明らかにして、企業の成長を促進する投資として位置付けられる結果を期待したいところです。

単なる健康施策の取り組みのコストという位置付けの健康経営から、もう1段階上の企業の成長を促進する投資としてへと進化させていくタイミングがもう来ているような気がしています。

『HealthTechWatch』編集委員 里見 将史
ヘルスビズウォッチ合同会社の共同代表として、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。

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