★★注目ニュース★★ ChatGPT、”やるべきこと”を毎朝提案する新機能『Pulse』

“ChatGPT、”やるべきこと”を毎朝提案する新機能『Pulse』 質問は不要”
OpenAIは、ChatGPTが自ら能動的に調査し、チャットの内容やフィードバック、カレンダーなどの連携アプリのデータに基づき、パーソナライズされた情報を提供する新機能『ChatGPT Pulse』を発表した。モバイル版のChatGPT Pro(月額200ドル)ユーザーからプレビュー版を利用可能となる。
ChatGPTは、利用者の質問に答え、目標達成を支援するAIサービスとして開発されている。それゆえに常に「ChatGPTに対して質問する」形を取っていた。しかし、この場合「なにを質問すべきか」という利用者側の知識に依存しており、次のステップに進むためには、利用者のスキル向上が課題となっていた。
『ChatGPT Pulse』は、ユーザーが望む目標をChatGPT側で考えて、情報を毎朝など1日1回ユーザーに提供。ユーザー側では、有用な情報とそうではない情報をChatGPTに伝えることで、調査対象の調整を行なえる。調査結果はトピック別のビジュアルカードとして『ChatGPT Pulse』に表示され、情報を確認できる。
例えば、ユーザーが旅行中の場合、「旅行の日程も中盤ですね」とChatGPTがメッセージと、ビジュアルカードで語りかけ、ディナーの候補を提示するほか、朝やるべきことなどを通知。ランニングの注意点などもまとめ、アクティビティの継続を支援する。利用者の生活スタイルなどにあわせて、ChatGPTが様々な提案を行なう。
『ChatGPT Pulse』は、現時点では毎日1回作成。毎晩、利用者のメモリー(利用履歴)・チャット履歴・直接フィードバックから情報を集約し、関連性の高い内容を学習。翌朝にはパーソナライズされた重点的な更新を提供する。GmailやGoogleカレンダーと連携させることで、より関連性の高い提案のための追加情報が提供される。カレンダー連携時には、ChatGPTが会議のサンプル議題を作成したり、誕生日プレゼントの購入をリマインドしたり、旅行先のレストランをおすすめするといったことが可能。これらの連携機能はデフォルトでオフになっており、オン/オフはユーザー側で設定できる。
OpenAIでは、『ChatGPT Pulse』を「AIとの新たな対話パラダイムに向けた第一歩」と説明。会話機能・記憶機能・連携アプリに統合することで、「単なる質問応答から、ユーザーに代わって行動する能動的アシスタントへと進化させる」としている。現在はProユーザー(月額200ドル)向けのプレビュー版だが、将来的にはPlus(月20ドル)ユーザー向けの拡大や、無料ユーザーへの展開も検討していく。
記事原文はこちら(『Impress Watch』 2025年9月26日掲載)
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『HealthTechWatch』の視点!
今回取り上げたのは、OpenAIが発表した、ChatGPTがやるべきこと”を毎朝提案する新機能『Pulse』 に関するImpress Watchの記事です。
多くの方が利用しているChatGPTは、対話型AIではありますが、基本利用者側からの質問に対応して回答する形式のコミュニケーションで成立します。
そのため、利用者からの質問が起点で会話がスタートし、その質問の仕方などによって回答内容のレベルも違ってくるため、質問する側の知識やテクニックに依存し、使いこなすには、利用者のスキル向上も求められます。
しかし、今回発表したやるべきことを毎朝提案する新機能『Pulse』は、利用者からの質問、アクションが会話の起点になるのではなく、ChatGPTが自ら能動的に情報を収集し調査して、パーソナライズされた情報を提供する仕組みです。
パーソナライズされた情報を提供する際の情報源としては、これまでは利用者からの質問、会話によって収集された情報がもとになっていたところ、今回の『Pulse』では、チャットの内容やフィードバック、カレンダーなどの連携アプリのデータなど、利用者が日頃使っているツールの情報をもとにするということで、質問によって情報収集したパーソナライズの仕組みから、利用者の日常生活の中に存在するログやデータをベースにしたパーソナライズな対応を実現しようとしています。
おそらく、今後は『Pulse』の情報源となる連携アプリ、サービスが増えることで、より網目の細かいパーソナライズな対応が可能になっていくと思われます。
ニュースの中でも「単なる質問応答から、ユーザーに代わって行動する能動的アシスタントへと進化させる」とOpenAIが伝えていますが、現在の受け身のChatGPTから「Pulse」の進化によって、AIの役割、AIと我々の関係性が変化していくような気がしています。
現状では、人のその時の欲求までを汲み取って提案してくるための情報源が、いまの様々なアプリやサービスの利用環境の中で、どこに存在している情報なのかイマイチ見当がつきませんが、今後はその時点の欲求、感情までをリアルに判断して能動的に対応するレベルまで向上していく未来も近いような気がします。
能動的アシスタントへと進化した場合、ヘルスケアのサービスの流れ、役割、仕組みもガラッと大きく変化していくことが考えらえます。
いまからそんな未来を描いて対応を考えておいた方が、現在のOpenAI、ChatGPTの目まぐるしい進化を見ていると、良さそうな気がしてなりません。
『HealthTechWatch』編集委員 里見 将史
ヘルスビズウォッチ合同会社の共同代表、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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