★★注目ニュース★★ 服薬アドヒアランスはチェックボックスではない。行動だ!

watanabe

2026.01.19

HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!
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“服薬アドヒアランスはチェックボックスではない。行動だ!”

医療はより精密な医薬品、より広範な医療へのアクセス、よりスマートなテクノロジーなど、あらゆる進歩を遂げてきたが、それでもなお根強く残る問題が一つある。それは「服薬不遵守」。

慢性疾患を持つ人のほぼ半数が、処方された薬をきちんと服用していない。この事実が、避けられない入院、予後悪化、そして数十億ドルもの不必要なコストを生み出し続けている。

では、なぜ私たちはこの問題を解決できないのか? 

なぜなら、私たちは服薬アドヒアランスをチェックボックスのように扱い続けているからだ。年1回の診察で評価し、リマインダーやちょっとしたアドバイスで改善できるもの、といった扱いだ。

しかし、こうしたツールは的外れと言える。服薬を継続的に行うことを阻む、現実の感情的、認知的、心理的な障壁に対処していない。

患者は現実の世界に生きている。仕事を失い、ストレスが積み重なり、介護に追われ、副作用によって病状が治療よりも悪く感じられることもある。こうした複雑な状況に対処するには、患者への理解を示し、アウトリーチ以上のものが必要となる。

行動科学者として、私(Dr. Chandra Osborn)はアドヒアランスを真の姿、つまり動的な状況に左右される行動として捉えている。

今日服薬アドヒアランスを守っている人が、来月には軌道から外れるかもしれない。それは情報不足や忘れたからではなく、生活に何か変化があったためだ。交通手段を失ったのかもしれない。副作用が出たのかもしれない。食料品と自己負担分の両方を支払えなくなったのかもしれない。 

これらは例外的なものではなく、特に複数の慢性疾患を抱え、収入が低く、サポートが限られている患者の間で、毎日目にするパターンといえる。

だからこそ、遵守を静的な尺度として扱うのをやめ、継続的なサポート、リアルタイムの適応性、信頼を必要とする動的なプロセスとして扱うことが大切になる。

これは、コールセンターや教育アウトリーチキャンペーンといった既存の戦略を放棄するという意味ではない。行動ツールやフレームワークを活用して、患者が服薬を遵守しない理由を理解し、共感を呼ぶような介入を行うための強化を意味している。適切な質問、適切なトーン、適切なツールを用いて、患者の置かれた状況に寄り添う必要がある。

アドヒアランス向上3つのポイント

  • アウトリーチからエンゲージメントへとシフトする

リマインダーと会話は別物だ。ケアチームが行動療法(動機づけ面接など)を活用できるようにし、真の障壁を明らかにする。重要なのは、状況確認ではなく、表面下の状況を確認することだ。

  • 患者全体をサポートする

社会的・感情的な要因が放置されると、服薬遵守は困難になる。うつ病、食料不安、介護者のストレスを抱える患者には、薬の補充を促すだけのリマインダーではなく、患者中心の、協調性のあるサポートが必要となる。

  • 適応型システムに投資を

静的なプロトコルは、変化の激しい世界では機能しない。データを活用して、離脱の兆候を早期に発見し、健康リテラシーやコミュニケーションの好みに基づいてアウトリーチをパーソナライズし、状況の変化に応じてサポートを強化する。

人々の生活を反映した形でサポートすることで得られるメリットは、臨床的な面をはるかに超え、経済的な面にも及ぶ。

アドヒアランス向上に投資された1ドルごとに、2ドル以上の医療費と生産性の損失を回避できる。そして、成果と経験が直接的に診療報酬に反映される価値ベースの環境において、こうした節約は効果の一部に過ぎない。アドヒアランスの向上は、スターレーティングの向上、予防可能な入院の減少、そして患者とケアチームの連携強化にもつながる。

記事原文はこちら(『MedCity News』2026年1月9日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

服薬アドヒアランス問題は、解決策が見つからないまま何十年も経っているのが実態です。まるで「永遠の課題」のようです。

予防ビジネスであれば、離脱する人も一定数いる前提であっても、新たな顧客獲得をすればよいとなるかもしれませんが、医療、特に医療費を削減することが価値につながるとするならば、途中で離脱は、後で悪化して戻って来ることにもつながります。

価値に基づくケア(Value Based HealthCare)が主軸となってくる現状では、見逃すわけにはいきません。

服薬アドヒアランスに関して、今回の記事はとても参考になります。

前提として、仕組みありきで考えないこと、患者により沿わなければ答えはみえないと伝えています。まさにその通りだと思います。

まずはどうやれば、服薬アドヒアランスに貢献するか?ここは徹底的に検証が必要です。

ただすべてをアナログにやると思うと躊躇してしまうかもしれませんが、この検証の手助けになるのが生成AIだと思います。検証中の課題の見つけ方、アイデア創出に力を発揮してくれます。

生成AIで患者をサポートと考える前に、まずはあなたの取組をサポートしてもらうことからはじめると、生成AIの役立ちどころを実感できると思います。

このようなツールができた今こそ、本当に役立つ服薬アドヒアランスを検討してみませんか?

『HealthTechWatch』編集長 渡辺 武友
ヘルスビズウォッチ合同会社にて共同代表CSO。健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティングを行う。一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行い、国際標準となる「ウェルビーイングISOガイドライン認定」制度を発表する。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。

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