★★注目ニュース★★ 記録習慣と複合要因の把握が示す、自己理解からセルフケアマネジメントへの示唆

里見将史

2026.03.09

『HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!

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“2/22 は頭痛の日 「頭痛じゃない日」に着目した記録習慣と複合要因の把握が示す、自己理解からセルフケアマネジメントへの示唆”

キヤノンマーケティングジャパンは、社内起業プログラムから生まれた頭痛セルフケアサポートアプリ「ヘッテッテ」において、2月22日の頭痛の日ならびにβ版提供開始から1 年を迎えるにあたり、ユーザーの日々の記録データをもとに、日常生活での頭痛セルフケアに関する傾向を分析しました。

その結果、頭痛の誘因は単一では語りにくく複数の要因が重なり得ること、また頭痛がない日も含めた記録が自己理解や行動のきっかけになり得ることが示唆されました。今後も「ヘッテッテ」は、「頭痛じゃない日を変えていく」というコンセプトのもと、頭痛で悩む方々の気づきと行動を後押しし、多様な関係者と協働しながら改善を考えるセルフケアマネジメントに向けた新たな視点を広げてまいります。 

頭痛は、プレゼンティーズム(健康問題による業務パフォーマンスの低下)を引き起こす主要な要因の一つとされており、特に片頭痛による生産性の損失は、年間約2兆3,856億円にのぼると推計されています。

こうした背景のもと、キヤノンMJは頭痛セルフケアサポートアプリ「ヘッテッテ」を2025年2月21日に提供開始し、2月22日の頭痛の日ならびにβ版提供開始から1年を迎えるにあたり、ユーザーが日々ハビットトラッカーに記録したデータを分析しました。 

本分析は、ユーザーの頭痛がない日も含めた記録がどのような自己理解や行動のきっかけとなり得るか、その傾向を把握することを目的としています。得られた結果は、頭痛セルフケアの在り方を考えるための視点や、今後多様な医療関係者やサービスとの協働に活かし、新たなケアを広げて行くことを目指します。 

■分析概要 

・期間:2025年2月21日から2026年2月12日まで 
・対象:「ヘッテッテ」利用者のうち分析許可を得たユーザー 
・内容: 
①頭痛誘因タイプ判定の集計・傾向 
②記録データから見える特徴 
③継続ユーザーの声・利用状況から見た気づき/行動変化の示唆 

■分析結果 

①頭痛誘因タイプ判定の集計・傾向 

「ヘッテッテ」では、頭痛の誘因に関する18項目の質問に回答することで、自身の頭痛誘因タイプを8つから判定できます。分析の結果、「光・音・においに敏感タイプ」(18.8%)、「いつも首がずーんタイプ」(18.2%)、「季節のうつろい苦手タイプ」(15.3%)が上位となりました。この結果は、頭痛に関する誘因が、感覚刺激(光・音・におい)、首肩まわりの違和感、季節・気象の変化など、日常のさまざまな場面に誘因が広がっていることを示しています。

 また、タイプ判定を行ったユーザーの95%以上の方が、2つ以上の頭痛誘因タイプに該当しており、生活習慣や環境の要因が個人の中でも複雑に重なって頭痛を誘発し得ることがうかがえます。そのため頭痛の原因はひとつと断定するのではなく、複数の視点で自分の傾向を把握し、整理することが重要です。 
 
 だからこそ、日常のセルフケアは“これさえやれば”ではなく、自分に合う選択肢を複数持ち、無理なく続けるかたちで生活に組み込むことが重要と考えます。「ヘッテッテ」では、タイプ判定を結論ではなく手がかりとして位置づけ、記録から生まれる「気づき」と次の「行動」へつなげる体験設計を重視しています。 
 
 〇頭痛タイプの内訳 
 1 位 光・音・におい・・・「いろいろ過敏」タイプ  18.8% 
 2 位 いつも首がずーん「万年首肩重」タイプ  18.2% 
 3 位 季節のうつろいに憂鬱「変わり目苦手」タイプ  15.3% 
 4 位 寝すぎもダメよ「睡眠リズム不調」タイプ  14.4% 
 5 位 いいことも悪いことも「ストレス満載!!!」タイプ  12.5% 
 
 〇頭痛誘因タイプの該当数内訳 
 1 位「頭痛誘因タイプ4つに該当」 24.4% 
 2 位「頭痛誘因タイプ5つに該当」 22.3% 
 3 位「頭痛誘因タイプ6つに該当」 17.6% 
 4 位「頭痛誘因タイプ3つに該当」 16.9% 
 5 位「頭痛誘因タイプ7つに該当」 7.2% 
 
 ②記録データから見える特徴 
 
 「頭痛じゃない日を変えていく」というコンセプトのもと、「ヘッテッテ」では、頭痛が起きた日だけでなく、頭痛がない日も含めた日々の記録を重視しています。アプリ内で頭痛状況や日常の習慣、行動を視覚的に記録するハビットトラッカーの分析では、「頭痛なし」59.2%、「頭痛あり」40.8%という結果でした。このデータからも、ユーザーは痛くない日も含めて日常を記録し、振り返る習慣を取り入れていることがうかがえます。 
 
 痛い日だけでなく痛くない日にも目を向けることは、自分にとってコンディションの良い状態や、普段の過ごし方の違いに気づくきっかけになり得ます。「ヘッテッテ」は、こうした記録を手がかりに、生活背景や誘因の因果を紐解きながら、「気づき」を次の「行動」につなげていく体験づくりに取り組んでいます。 
 
 
 ③継続ユーザーの声・利用状況から見た気づき/行動の変化の示唆 
 
 「ヘッテッテ」の継続ユーザーからは、セルフケアの習慣化や自己理解の促進につながったという前向きな声が多く寄せられています。記録を続けることで、自身の体調を客観的に見つめ直すきっかけだけでなく、市販薬の服薬状況の振り返りや、医療機関受診の後押しする可能性も示唆されています。 
 
 また、300日以上記録を継続するユーザーも複数存在することからも、「ヘッテッテ」が単なる記録ツールにとどまらず、ユーザーが自分の頭痛と向き合い、理解を深めるための支援サービスとしての価値を持ち始めていることがうかがえます。 
 
 〇ユーザーの声 
 「記録によって、自分が思っていたよりも頭痛頻度が多い/少ないことが分かった」 「頭痛が起きる頻度や状況を把握しやすくなった。薬の服用回数や頭痛の記録を続けたい」 
 「頭痛がないときの過ごし方も意識するようになった」
 「これまであまり分析したことがなかった頭痛タイプが分かり、病院での診察の際にも役立ちそう。また記録を振り返ることで、自分の頭痛を知れるし、気づきもある」 
 
 今後の展望 
 
 「ヘッテッテ」は今後も、「頭痛じゃない日」の価値をより多くの方に届けるべく、ユーザーの声を反映しながら、個人の記録から生まれる「気づき」を日常の「行動」へとつなげる体験設計をより一層高めてまいります。日々の記録によって可視化される誘因傾向や気づき、行動をもとに、生活習慣・ストレス要因・行動パターンを推測することで、潜在的な頭痛持ちの方々の傾向や行動変容のきっかけを把握し、改善に向けた継続的な支援につなげていきます。 
 
 さらに、こうした知見やデータを活かし、医療機関や製薬企業、生活関連サービスなど多様な関係者との連携を一層深めてまいります。 未受診層を含めた幅広い生活者に対し、セルフメディケーションを含む最適な対処行動への気づきを与え、日常に取り入れやすい多様なセルフケアの選択肢を届けてまいります。 
 
 なお、本分析結果の一部は、第53回日本頭痛学会総会でも発表し、セルフケア定着支援の可能性について、一般ユーザーのみならず、医療関係者にとっても日常の記録データがもたらす示唆として関心を集めています。 
 
プレスリリースはこちら(キヤノンマーケティングジャパン株式会社  2026年2月20日掲載)
 
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

今回取り上げたのは、頭痛セルフケアサポートアプリによる記録習慣と複合要因の把握が示す自己理解からセルフケアマネジメントに関する分析結果です。

キヤノンマーケティングジャパンの社内起業プログラムから生まれた頭痛セルフケアサポートアプリ「ヘッテッテ」は、昨年の2月にβ版提供開始してからちょうど1年間。

この1年間の利用者のデータを分析して結果を発表しましたが、このレポートの中で私が特に注目したのは、痛い日だけでなく痛くない日にも目を向けることは、自分にとってコンディションの良い状態や、普段の過ごし方の違いに気づくきっかけになって、生活背景や誘因の因果を紐解きながら、「気づき」を次の「行動」につなげていく体験づくりになっているという点です。 

通常、頭痛の記録となると頭痛の日の症状や痛みのレベル、体調などに注目しますが、痛くない日にも目を向け、痛い日と痛くない日の日常の違いから利用者本人の気づきにつなげることが、行動にも影響してくるという点です。

一般的な記録サービス、例えば食事記録サービスであれば、1日3食の食事の内容を記録すると、カロリーや栄養成分などが表示され、追加で体重や活動量、運動、睡眠などの記録が可能です。

活動量、運動の記録と食事の記録から、摂取カロリーと消費カロリーの差分が見える化が可能で、その差分と体重記録を照らし合わせて傾向が見えます。

しかし、食事時間や食事内容、量と睡眠には関係がありそうですが、この細かい部分については利用者自身が自身の視点で傾向を自ら見つけないかない限り見えてきません。

記録サービスでは、記録する機能、記録の見える化の機能の使いやすさを磨くことはもちろん重要ですが、記録することで利用者が自身の記録からどんなことに気づいて、実際の行動に繋げられるかということが、利用者の課題を解決するためには最も必要な機能だと思うのです。

今回取り上げたニュースの頭痛セルフケアサポートアプリ「ヘッテッテ」の分析結果は、記録から利用者の気づきのポイントをしっかりと見つけています。

本来記録サービスでは、記録から利用者の気づきのポイントを提供すべきなのですが、多くの記録サービスは、記録の本当の見方、活用のポイントなどは提供がされずに、利用者任せになっています。

記録サービスを効果的に使っている人の多くは、記録を中心に行動につなげる小さなPDCAサイクルを回しています。

この記録を中心としたPDCAサイクルに目を向けると、記録の見える化だけのサービス提供から本当に使える記録サービスへと進化して、選ばれる記録サービスになっていくと思われます。

今回注目したニュースは、利用者の記録の見える化だけのサービスではなく、行動に繋げる記録サービスとしたヒントを含んだレポートなので、ぜひ参考にしていただければと思います。

『HealthTechWatch』編集委員 里見 将史
ヘルスビズウォッチ合同会社の共同代表、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。

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