★★注目ニュース★★ ローランド・ベルガー、グローバル各国の食と健康 ~未来予測と事業機会~

『HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“調査:ローランド・ベルガー、グローバル各国の食と健康 ~未来予測と事業機会~”
食と健康というテーマにおいて、メタボリックドミノの序盤に位置づけられる肥満は、様々な疾患の一因であるだけでなく、特に先進国経済においては医療費抑制の鍵としても注目されている。ローランド・ベルガーが世界の肥満について分析をしたところ「肥満率」と「健康自認率」は逆相関の関係にあることが明らかになった。さらに、国別に見ると、政策や医療インフラ、食文化等によって様々なセグメントに分類できるが、ローランド・ベルガーでは、中長期では3極化すると予想する。
このような中、グローバルの事業機会を捉えるには、単純に健康食品を提供するにとどまらず、注力すべき地域と事業ドメインを広い視野で再定義する必要がある。また、研究機能が消費者・小売接点を持ち、そこから吸い上げた情報を基にソリューションを抽出する、新たなバリューチェーン/組織構造への変革が求められる。さらに、「食と健康」に関わる研究開発・マーケティング拠点を世界三極で設定し知見を蓄積することで、グローバルの事業機会を補足することができるのではないか。
本スタディでは、各地域において食と健康に関する以下6つの将来変化を予測し、企業への提言を記す。
- 1, 健康食品・フィットネス市場が縮小に転じる
- 2, 中東マネーが健康分野に集まる
- 3, 南米は健康のトータルレコメンドサービスのリープフロッグとなる
- 4, 健康先進国がグローバルのプレゼンスを増す
- 5, 魚食文化が拡大・浸透し、水産資源育成のための技術イノベーションが加速する
- 6, 異業種がグローバルの食文化・健康輸出の武器になる
プレスリリースはこちら(株式会社ローランド・ベルガー 2025年4月9日掲載)
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『HealthTechWatch』の視点!
ドイツに本拠を置く経営戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガー社が、食と健康に関するレポートを発行しました。
プレスリリースページから本分のダウンロード(無料)ができますので、ぜひチェックしてください。
レポートの中で “「肥満率(実際の健康状態)」と「健康自認率」は逆相関にある” と分析されています。肥満率が高い国(すなわち不健康な国)ほど自らを健康だと自認する傾向が強いとのことです。
肥満率が高い国には北米、南米が含まれます。傾向として手詰まり感があり、よりドラスティックな肥満治療市場にシフトする可能性があると指摘しています。
なるほど、北米が肥満治療薬が大盛況なのに対し、日本でそこまで盛り上がっていない理由もここにありそうです。
またレポートの中で日本や韓国は、肥満率も健康自認率も低いと位置づけています。 “国民性の観点から健康自認率が向上することは考えにくく、現状の痩せ志向/低体脂肪率が継続する” と分析しています。
すべての年代ではありませんが、若年層には過度な痩せ志向が強いのが事実です。
このレポートを見て、自社の商品サービスが今後どの市場で伸びていくか?考えてみてはいかがでしょうか!?
日本国内において、健康的に肥満改善は今後もニーズはありますが、市場としては縮小していくでしょう。今後国内市場を踏まえて、健康的な痩せ解消に向けて新規開発するのもあるでしょう。
しかし、世界で考えれば同じ商材でも十分通じる国や地域があるのではないでしょうか?
アジア圏を見ても、そのような対象国はたくさんありますし、物価基準から考えても、日本よりも収益を上げやすい市場はあります。
ヘルスケアビジネスは国内だけで考えると、思った以上に大きくならないことがよくあります。今こそグローバルな視点に立った戦略を考えるときだと思うのです。
『HealthTechWatch』編集長 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
- 経営戦略コンサルティングファーム ローランド・ベルガー 肥満率 グローバル 食文化 健康自認率