★★注目ニュース★★ ユニ・チャーム、経血を活用した次世代ヘルスケアサービス試験運用を開始

里見将史

2025.12.08

『HealthTechWatch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。

今回注目したニュースはこちら!

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”ユニ・チャーム、経血を活用した次世代ヘルスケアサービス
『ソフィ FemScan(フェムスキャン)』の試験運用を開始”

~共に新たな可能性を切り拓く共創パートナーを募集~

ユニ・チャームは、経血を活用した次世代ヘルスケアサービス『ソフィ FemScan(フェムスキャン)』の試験運用を開始したことをお知らせします。本取り組みは、経血が持つ生体情報を日常的な健康管理に生かす新たな試みで、実現に向け、専門的な解析技術を持つ、筑波大学発スタートアップであるiLAC社と共同してサービス化を目指しています。

『ソフィ FemScan』とは

ユニ・チャーム独自の技術を生かした、専用キットで経血を採取し、専門分析機関で解析することで、女性のからだの状態や変化に自分自身で気づき、日々のセルフケアに活用できる次世代ヘルスケアサービスです。

経血には血液以外にも子宮内膜細胞や膣分泌液などが含まれ、女性のコンディションやホルモンバランスの変化を映し出す“生体情報”が多く含まれています。本サービスでは、こうした経血由来の情報を活用し、現時点では子宮頸がんの主な原因とされるヒトパピローマウイルス(以下/HPV)に関する検査が可能です。
 
<サービスの流れ>

1.生理中に専用キットで経血を採取
2.経血を転写シートに移して郵送、連携する専門分析機関にて解析
3.結果をアプリで確認・通知※1

上記の流れにより、自宅にいながら簡単に婦人科疾患リスクに関する検査※2が行える専用キットです。

 ※1 HPV検査結果の通知内容等は、筑波大学医学医療系 産科婦人科学 准教授 小林 佑介先生に監修いただいております
※2 本サービスは子宮頸がんの診断を行うものではありません

試験運用の開始の背景と共創パートナーの募集について

女性のウェルネスケアブランド『ソフィ』は、40年以上にわたり女性の生理にともなう、体と心の変化に寄り添ってきました。経血には、女性の体の状態や変化を繊細に映し出す、重要な手がかりが多く含まれていますが、これまで日常の中で十分に活用されてきませんでした。

『ソフィ FemScan』は、この重要な生体情報に着目し、新たな可能性を切り拓く取り組みです。今回の試験運用を通じて、女性が自らの体をより深く理解し、主体的な健康管理を行える環境づくりを目指します。

本取り組みの実現と普及に向けて、試験運用にご協力いただける企業、アカデミア(大学・研究機関)、医療機関などの共創パートナーを募集します。本取り組みに関する詳細や募集要項は、『ソフィ FemScan』ブランドサイトにて発信します。

プレスリリースはこちら(ユニ・チャーム株式会社 2025年11月16日掲載)
 
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。

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『HealthTechWatch』の視点!

今回取り上げたのは、ユニ・チャームが、経血を活用した次世代ヘルスケアサービスの試験運用を開始したというニュースです。

経血には女性のコンディションやホルモンバランスの変化を映し出す“生体情報”が多く含まれているにも関わらず、これまで日常の中で十分に活用されていなかったということで、今回は経血の情報をもとに、女性のからだの状態や変化に自分自身で気づき、日々のセルフケアに活用できる次世代ヘルスケアサービスとして、『ソフィ FemScan(フェムスキャン)』の試験運用を開始したということです。

これまであまり意識されずに活用されてこなかったものから生体情報を取り出して、新た指標や見える化する流れが、最近は出てきている印象です。

例えば、以下のニュースは、唾液で“生物学的年齢”の傾向を可視化するというもので、新たな取り組みを開始しています。

TANSAQ、唾液で“生物学的年齢”の傾向を可視化する「DEL-1 年齢プロジェクト」を開始しました

上記ニュースは、採血を伴わない唾液測定を通じて、日々の生活習慣(睡眠・運動・栄養・ストレスなど)が自分の体にどのように影響しているのかを知ることができるというものです。

今回ご紹介する二つのニュースに共通している点としては、日常の生活の中で採取しやすく手軽であること、そしてデータの指標、アウトプットがセルフケアとして対象者、利用者の関心が高いのではないかと思います。

このように、これまでになかったアプローチで、新たなデータの見える化や新たな指標の出現で、新しい切り口が出てくることは大いに歓迎したいところですが、やはり気になるのが、新たなデータの見える化や新たな指標の出現のその先に存在する予防、改善を含めたソリューションです。

データの見る化とその先に連動するソリューションが伴ってはじめてヘルスケアのサービスは成立するものです。特にビジネスとして成立させるためには、ソリューションによるマネタイズがポイントになってきます。

新しい切り口によるデータの見える化、新たな指標の提供といったチェック(Check)にプラスしてソリューション(Solution)を組み合えわた「チェック(Check)&ソリューション(Solution)」こそがヘルスケアサービスの成功の型と言えます。

ヘルスケアサービスの成功の型の一つである「チェック(Check)&ソリューション(Solution)」の視点で、多くのデータの見える化サービスを見渡してみると、ソリューションでの勝ち筋が見えてくるかもしれません。

『HealthTechWatch』編集委員 里見 将史
ヘルスビズウォッチ合同会社の共同代表、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。

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